ののゑさん奮闘記-木刀娘は今日も必死-

ののゑ:もう・・・ダメ・・・。
急に倒れこむののゑさん。
ののゑ:ここまでか。
「ぎゅるるるるる」
大きな腹の音が。
ののゑ:ご・・・は・・・ん。


修行の旅に出たののゑさんでしたが、実はアデナも食料もろくに持たないでの旅立ち。
数日はなんとかもったものの、さすがにそんな無茶がずっと続くわけもなく。
今まさに精魂尽き果てて大地を抱きしめることに。
しかも完全に迷子。周りは北国よろしく雪景色。
もうどこからどうみても夢も希望もない状態。ののゑさん奮闘記 -完-


ののゑ:って勝手に終わらすな!!
誰にともなくツッコミを入れて復活したののゑさん。
ののゑ:今ちょっとやばかったな。早くなんとかせな・・・。
起き上がったとはいえ、体温とともに体力も奪われて息も絶え絶えです。
ののゑ:どっかに家でもないかな。
ふと木刀を握りしめ、意識を保とうと自分を奮い立たせます。
と、そのときモンスターの鳴き声が。
ののゑ:っ。こんな状態で襲われたら・・・。くそ!やるしかないか。
モンスターの足音がどんどん近くなってきます。
ののゑさんは木刀を強く握り締めて自分へのフルエンチャントを詠唱。
そうしてる間にもズンズンと重い足音が大きくなっていきます。
そして、雪に霞みながらもモンスターの姿がののゑさんの目の前に。
ののゑ:てりゃああああああ!
気合一閃。一撃を加えようと突進するののゑさん。
でも、その目に映るイレギュラー。
ののゑ:(モンスターの後ろに何かいる?)
レプリ:うわあああああああ。
男の悲鳴が雪空に響きました。さすがにたじろぐののゑさん。
ののゑ:え・・・?
よく見ると、モンスターには首輪とソリがついていて
更にそのソリの上には、男が手綱を持ち驚きの表情を目一杯浮かべて乗り込んでました。
レプリ:い、命だけはお助けを・・・っ。
ののる:な、なんだ・・・。
安堵したののゑさんの緊張の糸は途切れ、そのまま再び倒れこんで意識を失いました。
レプリ:ひぃ・・・あれ?女の子??


ののゑ:(ここどこだろう・・・)
辺りは先ほどとは打って変わって、暖かい空気に満ち溢れていました。
ののゑ:(あ、そっか。私死んだんだ)
走馬灯のように、今までの出来事が頭の中に浮かんでは消えていきます。
話せる島の風景。
ののると出会ったときのこと。
シヲンの間抜けな顔。
ののるに、狩りに戦争に連れまわされたときに見たアデンの風景。
ののゑ:(ごめんなののる。うち、もう役に立てへんみたいや。体も動かへんし・・・動・・・)
感覚のある指先。
ののゑ:動くやん!!
目が覚めたののゑさん。そこは暖かい暖炉のある部屋でした。
ここはどこだろうと思ったとき、部屋の古い扉が開く音が。
レプリ:おや、気がついたみたいだね。
出てきた男は、モンスターのソリに乗っていたあの情けない顔をした男でした。
ののゑ:あんときの・・・あんたが助けてくれたん?
レプリ:初めは盗賊かと思ったけどね・・・その身なりだとそういうわけでもないだろうし。
ののゑ:ごめん。てっきりモンスターやと思ったから・・・。
「ぎゅるる」
ののゑ:あ・・・。
レプリ:はは。話はあとにしようか。今スープを温めてるから食事にしよう。
優しい言葉をかけられたことと、大きな腹の音を聞かれたことで赤面するののゑさんでした。


レプリ:ふむ。修行の旅かい。女の一人旅とは大変だろうに。
ののゑ:でも、強くならなあかんから・・・アツッ。
スープをご馳走になりながら、ののゑさんは旅のいきさつを男に話していました。
男の名前はレプリ。この雪の絶えない土地で唯一生活してる人間だと彼は言いました。
あのとき遭遇したモンスターは、群れからはぐれた赤子のモンスターをレプリが育てて飼い馴らしたものだそうです。
ののゑ:それにしてもモンスターを飼ってるなんて・・・びっくりや・・・。
レプリ:あははは。それを言うならこんなところで迷子になる君にもびっくりだよ。普通の人は滅多に立ち寄らない秘境なんだよ?
ののゑ:方向音痴やねん。
レプリ:あはは。
なかなか人当たりのいい人物らしい。
ののゑさんの事情を聞きながら、自分がここでしか取れないアイテムを探して売っていること。
氷の迷宮の伝承など色々と話して聞かせてくれました。
ののゑ:あ、そうだ。おっちゃんおっちゃん。さっき言ってた魔法書の話やねんけど。
レプリ:グレーターエンチャントの魔法書のことかい?
ののゑ:そうそれ!それ覚えたらうちも強くなれると思うねん。どこらへんにあるか知らへん?
レプリ:迷宮のモンスターが持ってるんだが、お前さん1人じゃ多分無理だよ。
ののゑ:無理でも行く!いや、行かなアカンねん!
真摯な眼差しを向けるののゑさん。
その目が物語っていました。
(もっと強くならないと!)
レプリ:ふむ・・・。しょうがないな。
半ば気圧された形で、レプリは棚から羊皮紙とペンを取り出します。
レプリ:今、そのモンスターのいる場所までの地図を書くよ。
ののゑ:ありがと!おっちゃん!
レプリ:あと、そんな軽装じゃとても見てられない。そこの部屋にあるものを持っていきなさい。
ののゑ:うん?
レプリが指差した部屋の扉を開けるののゑさん。そこには手入れされた鎧と2刀が。
レプリ:昔、わたしがまだ冒険者だった頃に使ってたもんだ。ローブと木刀よりはマシだろう。
ののゑ:なんか悪いなぁ。
レプリ:はは。そう思うならちゃんと返しに来ておくれ。無事にな。
そう言って、書き終えた地図をののゑさんに手渡すレプリ。
それを受け取って満面の笑みを浮かべるののゑさん。
ののゑ:あったりまえや!

                                          続く






レプリは氷の迷宮にいるNPCです。
モンスターは同じく迷宮にいる鹿をイメージにしています。
長くなったので次回に続く。
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インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by nonoru | 2008-08-06 07:09 | その他

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